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芦屋市と西宮市の境にある動物病院の獣医師ブログです。http://www.kazeno-ah.com/


by kazenoah
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獣医師への道5〜研修医生活〜

卒業後の進路を大学病院に決め、就職活動をしなくていいことになった私は、
あとは3月の獣医師国家試験に受かるようただひたすら勉強するのみ(?)。
無事、ストレートで国試に合格することが出来ました。

・・・あ、その前の12月に卒業論文の提出がありました。
ちなみに私のテーマは犬や猫とは全然関係のない、「牛の第四胃変位における蛋白電気泳動のホニャララ」でしたが、何を研究してたのか、今となっては全く思い出せません。
指導して下さったH助教授(当時)、申し訳ありません(><)



そして新年度4月。

さてさて。
当時の研修医メンバーは、下は新卒の私から上は卒後ウン十年の細菌学を長く研究されてて最近臨床へ転向したえっちゃん先生まで、個性豊かな総勢7名。
出身校も様々で、母校出身者より他の大学の卒業者のほうが多かったのにビックリ。
泣いても笑っても1年間は同じメンバーで、嫌なら自分が辞めるしかないわけですが、
新卒、ペーペーの私はよくも悪くも「おミソ」扱いだったので、
少々的外れでも、かなり生意気なこと言っても周りはわりと適当にあしらってくれました^^;

麻△大学の場合、「研修医」は全科と専科にわかれます。
『全科研修』は大学病院直属の獣医師で全ての診療科に関わる研修医です。
月〜金と毎日大学に出ます。
研修医はほぼ無給で、アルバイトするなら土日だけしか時間がありません。
特に既婚者の先生は生活するのも大変だったと思います。

『専科研修』は特定の診療科目だけを学びに来る研修医です。研究生とも呼んでました。
大学病院直属ではなく、各講座に所属し、教授とともに診療にやって来ます。
当時の麻△大学では
循環器科
腫瘍科(←今でも日本一有名です)
眼科
に専科研修医がいたと記憶しています。

当時は専科、全科併せると総勢20〜30名になりました。
(母校のHPを見ると、なんと今は100名近いようです!!!驚いたー)

日によって構成人数は変わりますが、
このメンバーで日々の診療をこなして行きます。

大学病院の診療はどんな感じかといいますと。

まず、一次病院から「紹介」という形で予約が入ります。
例えば血液内科の診療日なら。。。

○○動物病院/マルチーズ/雌/7歳/貧血
××動物クリニック/土佐犬/雄/3歳/貧血

という感じで事前に情報が入ります。

この情報だけである程度診断を絞り込みます。
で、担当研修医を決めます。

同じ「貧血」という主訴でも、犬種と年齢とで、ある程度予想される診断が絞り込めるので、興味のある疾患を疑って、担当を希望することも出来ます。

この「犬種(動物種)」「年齢」「主訴」などから可能性のある疾患を絞り込んでいく作業を「鑑別診断リストを作る」といいます。
これは病気の診断をして行く上でとても大事な行程なのですが、大学病院にいる間にこの鑑別診断リスト作りについて、かなり訓練されたと思います。
毎日毎週、「よく似た症状なのに異なる疾患」のオンパレードでしたから!
by kazenoah | 2011-11-06 22:21